気づかないうちに劣化しているかも?畳の新調を考えるサインとは
畳は和室に欠かせない存在ですが、長く使っているうちに傷みやすくなっていきます。日々の暮らしの中で少しずつ劣化が進んでいても、見た目だけでは気づきにくいこともあります。
たとえば、以前よりも踏み心地がふわふわしてきた、畳の表面がけば立って服にくずが付く、色がまだらになってきたなど、少しの変化が交換のサインであることもあります。また、使われている素材や部屋の環境によっても、畳の傷み具合は異なります。
見た目がきれいに見えても、内部に湿気がこもっていたり、ダニが発生していたりする場合もあります。こうした状態を放っておくと、衛生面だけでなく住まいの快適さにも影響してくるかもしれません。
この記事では、畳を新しくするべき目安やその判断方法について、わかりやすくお伝えしていきます。ご自宅やご実家の和室が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
畳を新調するべきタイミングとは
畳は長く使うことで少しずつ傷んでいきますが、変化がゆっくりなため、日常の中では気づきにくいこともあります。
見た目の変化から判断する
まず確認したいのは表面の状態です。い草が色あせて黄色っぽくなっていたり、全体に黒ずみが出ていると、傷みが進んでいる可能性があります。縁のほころびや、ささくれによって衣類に細かいくずが付くようなら、そろそろ取り替え時かもしれません。
表面だけでなく、踏んだときに沈み込むような箇所がある場合も、内部の素材が弱っていることが考えられます。
踏み心地や香りの違和感
歩いたときの感触に、以前との違いを感じることがあります。ふにゃっとした踏み心地や、ふわつきがあると、中の土台が劣化しているかもしれません。また、い草独特の香りが薄れ、こもったようなにおいが気になるようになったら、湿気がたまっていることも考えられます。
こうした変化は日常の中でふと気づくことも多いため、違和感を感じたときには状態を見直すきっかけになります。
ダニやカビの発生がある場合
内部に湿気がこもると、ダニやカビが発生しやすくなります。特に湿度の高い時期や、風通しが悪い部屋では注意が必要です。目に見えるカビが出ていなくても、においが気になる、床に小さな虫が見られるなどの兆しがあることもあります。
ご家族の健康を考えると、衛生的に安心できる状態に保ちたいところです。こうした場合は、表面を替えるだけでは不十分なこともあるため、畳そのものを取り替える方法が合うこともあります。
畳の劣化がもたらす生活への影響
畳の傷みが進んでも、普段の生活で大きな不便を感じにくいこともあります。ただ、そのまま使い続けると、少しずつ暮らしの中に影響が出る場面が増えてきます。
アレルギーや衛生面でのリスク
目に見えない汚れや湿気が畳にたまると、ダニやカビの温床になりやすくなります。特に古くなった畳は内部の通気性が落ち、湿った状態が続くことも少なくありません。小さなお子さんや高齢の方がいる場合は、健康面への影響が気がかりになることもあります。
掃除をしていても、表面だけでは取りきれない汚れがあるため、一定の年数を過ぎた畳は内部の状態にも注意が必要です。
室内の印象が古く感じられる原因に
色あせや傷みが目立ってくると、和室の雰囲気にも変化が生まれます。以前は明るく感じた部屋が、どこか暗く感じたり、使いづらく思えたりすることもあります。特に来客のある空間では、見た目の清潔感も気になるところです。
表面を新しくするだけでも印象が変わるため、畳の状態は部屋全体の雰囲気づくりに関わる要素といえるでしょう。
建物全体の傷みにもつながることがある
湿気を含んだ畳を長期間そのままにしていると、下の床板や構造部分まで影響を受けることがあります。表面は問題がないように見えても、めくってみると裏側にカビが広がっていたということも少なくありません。
そうなると畳だけでなく床材の修理も必要になり、手間や費用がかかる可能性も出てきます。早めに状態を確認しておくことで、建物の傷みを防ぐことにもつながります。
畳の種類によって異なる交換サイクル
畳はどれも同じように見えるかもしれませんが、使われている素材や部屋の環境によって、傷み具合や交換までの年数が変わってきます。見た目の変化だけでなく、素材ごとの特徴を知っておくと、より長く安心して使うことにつながります。
天然い草と和紙畳の違い
天然い草で作られた畳は、使い始めの香りや肌触りに魅力があります。一方で湿気を吸いやすく、年数が経つと表面の変色や傷みが出やすくなる傾向があります。日当たりや風通しによっても差がありますが、5〜7年程度で新しくする家庭が多いようです。
和紙畳は湿気に強く、色あせしにくい素材として使われることがあります。強度があるため、表面の劣化が目立ちにくいという特徴がありますが、天然のい草とは風合いが異なります。
使用頻度と部屋の環境による違い
畳の状態は、その部屋の使い方によって大きく変わります。人の出入りが多かったり、椅子や机など重たい家具が長く置かれていたりすると、部分的に凹みやすくなります。また、日差しが入りやすい部屋では色が抜けやすく、逆に湿気がこもる場所ではカビが発生しやすくなります。
どんな畳でも、環境によって傷み方に差が出てくるため、使い方を意識することが寿命を延ばすポイントになります。
定期的な手入れで寿命を延ばす方法
長持ちさせるには、日頃のちょっとした工夫も効果的です。掃除機は目の流れに沿ってかけると、表面が傷みにくくなります。また、家具の配置をときどき変えたり、晴れた日に窓を開けて空気を入れ替えるだけでも湿気対策になります。
こうした積み重ねにより、すぐに取り替える必要がなくなり、畳本来の風合いをより長く楽しむことができます。
畳を新しくするメリット
見慣れた畳でも、新しくすると部屋の印象や使い心地が思いのほか変わることがあります。張り替えや新調を通じて得られる変化には、見た目だけでなく日常の過ごしやすさにも影響する部分があります。
部屋の空気や印象が変わる
新しい畳を敷くと、部屋の雰囲気が明るく感じられることがあります。い草特有の香りがふわっと広がることで、気分が切り替わり、清潔な印象にもつながります。くすみや傷みが目立っていた場合は、取り替えただけでも気持ちがすっきりすることもあるでしょう。
特に和室は、落ち着いた空間として使われることが多いため、畳の状態が整っていると、その役割がより引き立ちます。
和室が心地よい空間に生まれ変わる
表面がなめらかで、足触りの良い畳に変わると、座ったり寝転んだりする時間が自然と増えることがあります。小さなお子さんが遊ぶスペースや、ご家族がくつろぐ場としても安心して使えるようになります。
また、古くなった畳と比べると、湿気やにおいが気になりにくくなるため、普段使っていなかった部屋にも手を入れやすくなります。
客間としての機能性アップ
来客時に使う和室では、清潔感があるかどうかが印象を左右します。畳が新しいだけで、部屋全体が整って見えるため、家の中でもきちんと手入れがされている印象を持ってもらいやすくなります。
見た目が整っていると、必要以上に準備に気を遣わなくても落ち着いて人を迎えることができるようになります。
畳の張り替えと新調の違い
畳のメンテナンスには、状態に応じていくつかの方法があります。よく使われるのが「裏返し」「表替え」、そして「新調」です。それぞれ内容が異なるため、違いを知っておくと判断の参考になります。
表替え・裏返し・新調のそれぞれの特徴
裏返しは、今の畳の表面をはがし、裏面を新たに使う方法です。表が大きく傷んでいない時期に行うと、見た目も整い、費用も抑えられます。ただ、裏面が傷んでいる場合は適さないこともあります。
表替えは、畳の芯材を残して、表面のい草だけを張り替える方法です。使用年数が数年程度で、芯がしっかりしていればこの方法が使われることが多いです。
新調は、畳そのものを一から作り直す方法です。芯材も含めてすべて新しくなるため、長く使ってきた畳や、傷みが目立つ場合に向いています。
費用と所要時間の比較
裏返しと表替えは芯を再利用するため、作業にかかる費用も時間も比較的少なく済みます。数日で終わることも多く、負担はあまり大きくありません。
一方で新調は、作業工程が増えるぶん時間も長くなり、費用もやや高めです。ただ、全体を整えることで見た目も機能も大きく変わるため、一定の安心感があります。
どのタイミングで新調が必要か
踏んだときに大きく沈み込む感触があったり、い草の表面がボロボロになっている場合は、畳全体が弱ってきている可能性があります。また、カビや虫が発生しやすくなってきたと感じるときも、芯の傷みが進んでいるかもしれません。
そうした場合は表面だけの張り替えでは追いつかないため、畳そのものを新しくする方法が合うこともあります。見た目だけでなく、使い心地の変化や内部の状態にも目を向けてみるのが大切です。
金沢屋が提供する畳の新調サービスについて
畳を取り替えるとなると、どのような素材を選ぶか、仕上がりはどうなるのかなど、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。そうした気がかりにも丁寧に対応しながら、それぞれの暮らしに合った畳をご提案しています。
暮らしに合わせた素材の選び方
畳の種類には、天然い草を使ったものや、耐久性に優れた和紙畳などさまざまなタイプがあります。ご希望や部屋の用途を伺いながら、使いやすさや見た目の風合いを踏まえた素材をご案内しています。
たとえば、お子さまが遊ぶ場所や長時間過ごす部屋には、汚れにくい表面加工がされたものを選ばれることもあります。好みや使い方に合うよう、細かい部分も確認しながら進めています。
職人が一枚一枚仕上げる丁寧な作業
畳の仕上がりを左右するのは、細かな作業の積み重ねです。金沢屋では、経験のある職人が一枚ごとに状態を見極めながら作業を行います。部屋の寸法に合わせた調整や、縁の色柄の選定も丁寧に行うため、仕上がりも自然で落ち着いた印象になります。
目に見える部分だけでなく、使ったときの感触まで整えることを意識しながら作業を進めています。
畳だけでなく障子や襖もまとめて相談可能
和室の雰囲気を整えるには、畳だけでなく障子や襖も一緒に見直すと、統一感が出て部屋全体がすっきりとした印象になります。金沢屋では、それぞれの素材や柄のバランスも踏まえてご相談を受けています。
一度の工事でまとめて依頼できるため、部屋の印象を整えるきっかけとしてもご利用いただいています。
まとめ
畳は毎日の生活の中で少しずつ傷んでいくため、見た目だけでは劣化に気づきにくいことがあります。踏み心地の違和感や表面のささくれ、においの変化などは、張り替えや新調のサインとなることがあります。
また、劣化した畳をそのまま使い続けると、部屋の印象が暗くなるだけでなく、湿気やカビなど衛生面にも影響が出る場合があります。素材の種類や部屋の使い方によって交換の目安は異なりますが、日頃の手入れとあわせて状態を見直すことが、畳を長持ちさせるためには欠かせません。
金沢屋では、天然い草や和紙畳などさまざまな素材を取り扱い、お住まいや暮らし方に合った畳のご提案を行っています。畳だけでなく、障子や襖とあわせたご相談にも対応しており、和室全体の調和を大切にしながら施工しています。
年末が近づく時期はご依頼が集中する傾向がございますので、ご希望のタイミングで対応できるよう、なるべく早めのご予約をおすすめしております。畳の状態が気になる方や、実家の和室を整えたいとお考えの方は、一度専門店にご相談いただくのもひとつの方法です。ぜひお気軽にご相談ください。
